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コンサルタントコラム

杉本 博文

2022.08.02
「個人年金保険」と「個人型確定拠出年金(iDeCo)」の税金②


老後資金づくりを目的とする「個人年金保険」と「個人型確定拠出年金(iDeCo)」。


前回は、「掛金」の取扱いの違いを確認しました。


どちらも所得控除の対象ですが、種類は異なりましたね。


「個人年金保険」は「生命保険料控除」の対象で、
「個人型確定拠出年金(iDeCo)」は「小規模企業共済等掛金控除」の対象でした。


今回は、「受取金」の取扱いの違いを確認しましょう。


「個人年金保険料」を年金で受け取る場合には、
「公的年金等以外の雑所得」になります。


公的年金等以外の雑所得の金額は、
その年中に受け取った年金の額から、
その金額に対応する掛金の額を差し引いた金額です。


「個人年金保険」を解約して解約返戻金を受け取ると「一時所得」になります。


一時所得の金額は、その解約返戻金以外に他の一時所得がないとすれば、
受け取った解約返戻金の総額から既に払い込んだ掛金の額を差し引き、
さらに一時所得の特別控除額50万円を差し引いた金額です。
課税の対象になるのは、この金額をさらに2分の1にした金額です。


「個人型確定拠出年金(iDeCo)」は、
年金か一時金で受取方法を選択することができます。
(金融機関によっては、年金と一時金を併用することもできます。)


「個人型確定拠出年金(iDeCo)」を年金で受け取る場合には、
「公的年金等の雑所得」になります。


公的年金等の雑所得の金額は、
その年中に受け取った年金の額から、
公的年金等控除額を差し引いた金額です。
「個人年金保険」とは違って、実際に支払った掛金の額を差し引くのではなく、
収入金額に応じた控除額が定められています。


「個人型確定拠出年金(iDeCo)」を一時金で受け取ると、
「退職所得」になります。


退職所得の金額は、
収入金額から退職所得控除額を差し引き、さらに2分の1にした金額です。


「個人年金保険」とは違って、
実際に支払った掛金の額を差し引くのではなく、
個人型確定拠出年金(iDeCo)の加入期間に応じた控除額が定められています。


「個人型確定拠出年金(iDeCo)」以外に会社から退職金を受け取る場合や、
小規模企業共済の共済金を受け取る場合は、
受け取る時期によって退職所得控除額の計算方法が異なりますので注意が必要です。


iDeCo公式サイトでは、iDeCo(イデコ)の3つの税制メリットとして

1.掛金が全額所得控除!

2.運用益も非課税で再投資!

3.受け取る時も大きな控除!

とありますが、
「3.受け取る時も大きな控除!」は人それぞれの状況によって異なります。


事前のシミュレーションをしておきましょう。

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