コンサルタントコラム
2021.12.03
団体信用生命保険と相続税
①被相続人が団信に加入していた場合の相続税の考え方と
②団信には加入していなかったものの、
別途加入していた生命保険の保険金で住宅ローンを返済する場合の
相続税の考え方についてお伝えします。
①団信に加入していた場合は自宅とその他の財産に課税
通常、相続税の計算をするときは、遺産からローンなど債務を差し引きます。
また、被相続人が保険料を負担していた場合は、
保険会社から受け取った死亡保険金は相続税の課税対象になります。
団体信用生命保険は、
被相続人の死亡によって住宅ローンの残額にあたる金額が
住宅ローンの債権者である銀行に支払われて返済が完了します。
一般の生命保険のように相続人に保険金が支払われて、
それを住宅ローンの返済に充てるものではありません。
そのため、住宅ローンは債務として遺産から差し引くことはせず、
団信の保険金が相続税の課税対象になることもありません。
団信の保険金で住宅ローンが返済されたあとは、
自宅とその他の財産に対して相続税が課税されることになります。
②団信に加入せず別途生命保険に加入の場合は保険金にも課税
団信には加入せず、被相続人が別途加入していた生命保険の保険金で住宅ローンを返済する場合は、
住宅ローンは債務控除の対象となり、
自宅を含めた被相続人の遺産から差し引きます。
死亡保険金は被相続人の財産ではありませんが、
被相続人が死亡したことによって支払われることから、相続税の課税対象になります。
ただし、非課税限度額があり、500万円×法定相続人の数の金額までは非課税となります。
つまり、相続税の課税対象は、
自宅を含めた被相続人の遺産-住宅ローン+死亡保険金-死亡保険金の非課税限度額
となります。
なお、死亡保険金が相続税の対象になるのは、
被相続人が自身に保険をかけて保険料を支払っていた場合です。
死亡保険金を受け取ったときは、
被保険者と契約者(保険料を支払っていた人)の関係を確認することが重要です。
ライフサクセションノート(エンディングノート)などで継承資産の確認をし、
整理整頓していくと確認しやすくなりますので活用してみてください。