コンサルタントコラム
2026.08.25
可処分所得の基礎となる家計収入(所得)のうち財産所得の重要性
可処分所得とは、個人所得から直接税や社会保障費などの「非消費支出」を差し引いた、
実質的に自由に使用できる手取り収入のことです。
可処分所得の基礎となる家計収入(所得)は、主に以下の種類に分類されます。
勤労所得(給与所得・事業所得)
会社員や公務員の給与・賞与、自営業者の事業利益など、労働によって得られる所得。
財産所得
預貯金や国債の利子、株式の配当金、不動産の家賃収入などの資産運用による所得。
移転所得(社会保障給付など)
公的年金、雇用保険の給付金、児童手当や各種給付金など、政府や制度から支払われる所得。
これらを合計した「実収入(総所得)」から、
所得税・住民税などと社会保険料(健康保険・厚生年金・介護保険など)を
差し引いた金額が「可処分所得」となります。
中でも家計における財産所得(利子・配当・家賃収入など)は、
この20年(2000年代半ば〜2020年代)で構造が劇的に変化し、
その重要性も大きく高まりました。
20年前と直近の主な違い
利子所得の内訳・水準
20年前(2000年代半ば):超低金利政策により、預貯金利子はほぼゼロで低迷。
直近(2020年代中期):長期金利・政策金利の上昇局面(利上げ)に入り、わずかながら利子収入の回復兆し。
配当所得の規模
20年前(2000年代半ば):企業の配当意識はまだ低く、株式保有による配当還元は限定的。
直近(2020年代中期):企業統治改革(PBR改善要求)や円安・好決算により、株主還元・増配が過去最高水準へ。
非課税制度の活用
20年前(2000年代半ば):旧NISA前夜(特定口座の普及期)。非課税投資の規模は小さかった。
直近(2020年代中期):新NISAの拡充(2024年〜)により、個人投資家の配当・譲渡益の非課税枠が大幅に増大。
主な所得源
20年前(2000年代半ば):預貯金利子の消滅に伴い、不動産(家賃)や特定層の株式が中心。
直近(2020年代中期):新規投資家の参入増加により、中間層でも「配当・分配金」が主な伸びに。
内閣府によると家計の可処分所得のうち、
利子や配当などを指す財産所得は25年に33.6兆円と20年前の1.8倍に達したとのことです。
新NISA(少額投資非課税制度)を使った株式投資も広がり、配当が消費を下支えする構図が強まっています。
直近における財産所得の重要性
1.「インフレ(物価高)」への対抗策
20年前のような「デフレ&超低金利」時代は、現金保有でも価値が減りづらい状況でした。
しかし、現在は物価上昇が続いており、預貯金だけでは実質資産が目減りします。
インフレ率を上回る配当利回りや運用益を得ることが、家計防衛のために不可欠となっています。
2.勤労所得(給料)を補完する「第二の収入源」
実質賃金の上昇が緩やかななか、企業の成長還元(配当増)を直接受けることで、
世帯の可処分所得を補う役割が増しています。
3.資産寿命の延伸(リタイア層・高齢期)
公的年金の給付水準が将来的に調整される(マクロ経済スライド等)なか、
元本を切り崩さずに生み出される配当金や利子収入は、老後の生活資金を支える重要な柱となっています。
今後の財産所得を高めるためのポイントとして
〇預貯金から資産形成へのシフト(新NISAやiDeCo等の活用)
〇利回りだけでなくインフレに強い資産(株式・インフラ・不動産等)の組み合わせ
〇金利上昇局面における債券や預貯金利息の見直し
など考えられますので家計決算をして財産所得が高められているか確認しましょう。

