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コンサルタントコラム

杉本 博文

2026.05.12
「確定拠出年金(DC)」と「確定給付年金(DB)」


厚生年金に上乗せ給付する企業年金を巡り、
従業員自ら運用して退職金や年金の原資を築く確定拠出の加入者数が
企業が運用責任を負う確定給付を2025年度に上回りそうだとのことです。
働き手の確保へ福利厚生の拡充に動く中小企業で導入が広がっているようです。


信託銀行などでつくる運営管理機関連絡協議会によると、
企業型確定拠出年金の加入者は24年度末に862万人と前年度から4%増えたとのことで
確定給付は887万人と2%減り、差は25万人に縮まっています。
25年度末の状況は協議会などが6月に公表されます。


日本の年金制度における「確定拠出年金(DC)」と「確定給付年金(DB)」は、
将来もらえるお金の「決まり方」が根本的に異なります。

現在の資産運用や税制優遇、将来のライフプランを考える上で非常に重要な違いがあります。


1. 根本的な違い

最大のポイントは、「出口(給付額)」が先に決まっているか、
「入り口(拠出額)」が先に決まっているかです。


確定給付年金 (DB)    

給付額:あらかじめ約束されている    
運用の責任:企業(会社)    
リスク:運用失敗時は会社が補填する    


確定拠出年金 (DC / iDeCo) 

給付額:運用の成果次第で変動する 
運用の責任:加入者本人(個人)
リスク:運用失敗時は本人の年金が減る


2. 確定拠出年金 (DC)

個人型は「iDeCo」、企業型は「企業型DC」と呼ばれます。

メリット
•税制優遇が非常に大きい: 掛金が全額所得控除の対象となり、所得税・住民税が軽減されます。また、運用益も非課税です。
•ポータビリティ: 転職した際、資産を次の会社のDCやiDeCoに移管して持ち運ぶことができます。
•納得感: 自分の判断で運用先(投資信託など)を選べるため、積極的な運用で資産を大きく増やすチャンスがあります。

デメリット
•自己責任: 運用がうまくいかないと、将来の受取額が元本を下回る可能性があります。
•原則60歳まで引き出せない: 老後資金専用の制度であるため、急に現金が必要になっても解約できません。
•コスト: iDeCoなどの場合、口座管理手数料などの諸費用が自己負担になることがあります。


3. 確定給付年金 (DB)

会社が将来の年金額を算定式に基づいて約束する制度です。

メリット
•将来の計画が立てやすい: 退職時にもらえる金額が事前にわかるため、老後のキャッシュフローを予測しやすいです。
•運用の手間がない: 会社がプロに任せて運用を行うため、個人が知識を持って運用指図をする必要がありません。
•会社の負担: 基本的に掛金は会社が負担するため、個人の手取りが減ることはありません。

デメリット
•インフレに弱い: 受取額が固定されている場合、物価が上昇すると相対的に価値が目減りします。
•持ち運びが制限される: 転職時に持ち運べるケースもありますが、DCに比べると手続きや条件が複雑で制限が多いです。
•会社の倒産リスク: 万が一会社が倒産し、年金資産が不足している場合、給付額が削減されるリスクがゼロではありません。


まとめ

どう活用すべきか

•着実に備えたいなら確定給付年金DB:
 会社にこの制度があるなら、安定した老後の「基礎」になります。

•効率よく増やしたいなら確定拠出年金DC
 節税メリットを最大限に活かしつつ、株式や債券などの投資信託を通じて、長期・積立・分散投資を行うのが定石です。

最近では、「半導体やAI、核融合技術」といった成長分野の投資信託も増えており、
こうしたトレンドを反映したポートフォリオを自分で組めるのがDCの醍醐味です。
まずはご自身の会社の制度を確認してみましょう。
 

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