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コンサルタントコラム

杉本 博文

2026.03.16
原油高騰からガソリン価格決定まで


最近の原油高騰、家計への直撃が予想されます。
特に2026年3月現在は中東情勢の影響で価格が不安定になっており、
ニュースでも頻繁に取り上げられています。


原油価格が上がってから、
私たちがガソリンスタンドで目にする価格に反映されるまでには、
大きく分けて「調達・精製」「卸売」「小売」の3つのステップがあります。


それぞれの段階でどのように価格が決まるのか、その流れをまとめました。


1. 原油の調達と為替の影響(1〜4週間)

まずは原料となる原油のコストが決まります。
ここで重要なのは「原油そのものの価格」だけでなく「為替(円安・円高)」です。

タイムラグの理由
日本が輸入する原油の約9割は中東産で、船で日本に届くまで約3週間かかります。

価格決定要素
ドル建ての原油価格に、その時の為替レートを掛け合わせた「円建て原油価格」がベースとなります。


2. 石油元売りによる「仕切価格」の決定(毎週)

「石油元売り」が、ガソリンスタンド(特約店)に売る際の価格(仕切価格)を決めます。

更新頻度
多くの元売り会社は、毎週水曜日に価格を改定します。

計算方法
「直近1週間の原油価格の平均」や「国内の石油製品の卸売市場価格」を参考に算出されます。

先読みの動き
実際の原油が届くのは先でも、元売り会社は「次に仕入れる原油が高くなる」とわかれば、
在庫の価値を守るために先行して卸値を上げることがあります。
これが「原油が上がるとすぐ値上がりする」と感じる一因です。


3. ガソリンスタンド(小売)での価格設定(数日〜1週間)

最終的に、各ガソリンスタンドが看板の価格を決めます。

在庫の影響
スタンドの地下タンクにある「以前安く仕入れた在庫」がなくなると、
高い価格の新油に切り替わり、店頭価格に反映されます。

競争原理
近隣のライバル店が値上げしなければ、自店だけ上げるわけにいかず、
利益を削って耐えることもあります。


2026年3月現在の特殊な事情:政府の補助金

現在、政府は急激な高騰を抑えるために
「燃料油価格激変緩和対策事業(補助金)」を発動しています(2026年3月19日出荷分から再開)。

目標価格
全国平均で 170円/L 程度に抑制

仕組み
170円を超えた分を政府が元売り会社に補助し、卸値を下げさせる

反映時期
補助金適用後のガソリンがスタンドに届くのは、3月下旬〜4月上旬になる見込み


【注意】
原油価格が下がってもガソリン価格がすぐ下がらないのは、
高い時に仕入れた在庫を先に売り切る必要があるためです。
逆に上がる時は、将来の仕入れコストを考慮して早めに反映される傾向があります
(これを「価格の非対称性」と呼んだりします)。

現在の補助金がいつまで続くか、
あるいはさらに情勢が悪化するかによって今後の価格は変わってきます。
 

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