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コンサルタントコラム

杉本 博文

2025.11.24
金融所得と健康保険料の関係について



政府は株式の配当など金融所得を
高齢者の医療費の保険料や窓口負担に反映する方針を固めた。
損益通算のための確定申告をしなければ、保険料負担などが軽くなる不公正を是正する。
2020年代後半の開始を目指す。
金融資産を多く持つ高齢者の医療給付費を抑え、現役世代の負担軽減につなげる。
との記事がありました。


金融所得とは、
株式の配当金、投資信託の分配金、債券の利子、株式やその他の有価証券の売却益など、
金融商品への投資から得られる所得の総称です。
 
日本の税制において、
金融所得は主に「利子所得」「配当所得」「譲渡所得」の3種類に分類されます。
 
利子所得:預貯金や公社債の利子など

配当所得:株式や投資信託の分配金など

譲渡所得:株式や投資信託、不動産などの売却による利益
 
これらの所得は、
原則として他の所得と区分して税額を計算する
申告分離課税(特定口座内の源泉徴収ありの場合は源泉分離課税)が適用され、
20.315%(所得税および復興特別所得税15.315%、住民税5%)の税率で課税されることが多いです(NISA口座などを除く)。
 
詳細については、国税庁のウェブサイトなどで最新の情報を確認できます。 


金融所得の課税のされ方と、それが健康保険料(社会保険料)に与える影響については、
公平性の観点から大きな議論が行われていましたが一定の方針が示されたことになります。


現状の取り扱いは主に以下の通りです。

健康保険の種類によって、金融所得が保険料に反映されるかどうかが異なります。

国民健康保険(国保)
確定申告をすると反映される(保険料が増える可能性がある)。
確定申告をしない場合は反映されない(特定口座・源泉徴収ありなど)。


後期高齢者医療制度
国保と同様に、確定申告をすると反映される。


被用者保険 (協会けんぽ、健康保険組合、共済組合)
原則として反映されない。保険料は給与や賞与に基づいて計算され、労使折半で負担されるため。


介護保険
確定申告をすると反映される(40歳以上が加入)。

 


まずは75歳以上が入る後期高齢者医療制度への反映を目指すようです。
働き方の違いによる加入保険の差がない75歳以上から始めた方が、
不公平感を生まないとの見方があるためです。

自営業者らが入る国民健康保険や介護保険への反映も検討するとのことです。

会社員らが入る健康保険は対象外とするとのことです。
確定申告と関係なく給与をもとに保険料が決まり、労使折半で負担するため反映のハードルが高いため。


現役世代の資産形成を促す少額投資非課税制度(NISA)の口座も算定対象から外す。


後期高齢者医療制度や介護の保険料は給与や年金といった所得に応じて決まります。
上場株式の配当や社債の利子といった金融所得は、
損益通算のために確定申告をすればいまも翌年度の社会保険料に反映されています。

ただ医療保険を運営する自治体などが、未申告の金融所得を把握するルートはなく
保険料や窓口負担が軽くなるケースがあり、不公平さが指摘されていました。
厚労省は対象となる金融所得のうち、金額ベースで約9割が算定から外れているとみています。

 

自分がどの健康保険(公的保険制度)に加入しているか、
算定の対象外となる少額非課税制度(NISA)を活用できているかなどチェックすることが重要です。

 

毎年制度の変更や法改正は行われますので、家計決算などして
活用できていない制度がないかなど確認してみましょう。

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