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コンサルタントコラム

杉本 博文

2025.01.19
家計の貯蓄率を確認しましょう


2023年度の家計貯蓄率は1.5%と3年連続で低下したとの記事がありました。

可処分所得が増加した一方、物価上昇に伴い消費支出も増え、
貯蓄にまわったお金は4兆7千億となり3年連続で減少したとのことです。

内閣府が公表している国民経済計算の年次推計によると、
直近で貯蓄額が最も大きかったのは20年度で、37兆6千億円。
新型コロナウイルス禍で消費が抑制され、家計貯蓄率は11.8%。

ここ数年は経済活動の正常化に加え、物価上昇もあり貯蓄を取り崩して
消費に回す傾向が続いているとのことです。

23年度の家計の消費支出は314兆8千億円、可処分所得は320兆3千億円。


貯蓄率とは、収入のうちどれくらいの割合を貯蓄に回しているかを示す指標です。

貯蓄率は、以下の式で計算されます。

貯蓄率 = 貯蓄額 ÷ 可処分所得 × 100

 貯蓄額:1年間(または1ヶ月など)に貯めたお金の総額

 可処分所得:税金や社会保険料などを引いた後の、手取り収入


貯蓄率は、家計や国民経済の状況を把握する上で非常に重要な指標です。

貯蓄率から読み取れることとして、以下のような点が挙げられます。

〇家計の経済状況
 貯蓄率が高いということは、家計が安定しており、
 将来に備えて十分な資金を蓄えている可能性が高いことを示します。
 逆に、貯蓄率が低い場合は、将来に対する不安が強いなどの状況が考えられます。

〇消費意欲
 貯蓄率が高い場合は、消費意欲が低く、貯蓄に回す割合が大きいことを示します。
 逆に、貯蓄率が低い場合は、消費意欲が高く、消費に回す割合が大きいことを示します。

〇経済への影響
 貯蓄率が高い場合は、企業への投資が少なくなり、経済が停滞する可能性があります。
 逆に、貯蓄率が低い場合は、消費が増え、経済が活性化する可能性があります。

〇インフレへの対応
 インフレが進むと、物価が上昇するため、実質的な貯蓄額が減少する可能性があります。
 このため、インフレ期には、貯蓄率を高く保つことが重要になります。

〇将来への備え
 貯蓄率が高いことは、老後や病気、失業など、
 将来起こりうるリスクに備えていることを示します。


貯蓄率は、様々な要因によって変動します。
主な要因としては、以下のようなものが挙げられます。

〇経済状況
 景気動向、雇用状況、物価水準など、経済全体の状況が貯蓄率に大きな影響を与えます。

〇政策
 政府の財政政策や金融政策も、貯蓄率に影響を与えることがあります。

〇人口動態
 少子高齢化が進んでいる日本では、高齢者の貯蓄率が高い傾向にあります。

〇ライフステージ
 若年層は教育費や住宅購入など、将来への投資が多いため、
 貯蓄率が低くなる傾向があります。

〇心理的な要因
 将来に対する不安感や、消費意欲の高低なども、貯蓄率に影響を与えます。


貯蓄率は、一つの指標にすぎません。


貯蓄率を見る際には、以下の点にも注意する必要があります。


〇長期的な視点
 短期的な変動に一喜一憂せず、長期的な視点で貯蓄率の推移を見ていくことが大切です。

〇他の指標との比較
 貯蓄率だけでなく、収入や支出、資産なども合わせて考えることで、
 より総合的な判断ができます。


貯蓄率は、家計の経済状況や将来設計を把握する上で重要な指標です。
家計決算をして我が家の貯蓄率を把握し、
将来の目標に合わせて貯蓄計画を立てることが大切です。
 

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